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   さいたま盆栽美術館蔵

Plants

                 五葉松 銘 舞子

 この根連なりの五葉松は、奈良県吉野郡天川村に住んでいた二人の村人によって天川村の東部を占める大峰山脈の高峰、大普賢岳(一七八〇メートル)より山採りされた。大正一三年、奈良県御所市に創業した大柏園初代園主高橋秀佳が、盆栽商になって三年目にこの樹を譲り受けた。当時の金額で百五十円だった。

 当時、盆栽界にはまだ「根連なり」という樹形用語はなかった為、「根から芽が出ている木」と呼ばれ、関西地方を中心に当時の盆栽業界の話題であった。つまり、この「舞子」から根連なり樹形の大流行が起こったのである。

「舞子」という名は松の枝ぶりにちなんで付けられたといい、現在の神戸市垂水区にある舞子公園付近の景観がその由来である。

                         (盆栽世界 1982年8月号より抜粋)

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